役員報酬個別開示義務付け

ポイントは3つ
役員報酬は個別開示になる
株主総会の議決結果の公表
・株式持合い状況の公表

2010年2月11日日経新聞1面
 金融庁は2010年3月期から、上場企業などの情報開示を強化する方針だ。現在は有価証券報告書で任意に公表している役員報酬について、総額と役員ごとの金額を記載するよう義務づける。企業間で持ち合う株式の状況や、株主が行使した議決権の結果も開示させる。経営情報を透明化し、株主や投資家の監視を強めるのが狙い。ただ企業の反発は根強く、流動的な要素も残る。(役員報酬は3面「きょうのことば」参照)
 金融庁は情報開示の強化を実行するため、金融商品取引法内閣府令の改正案を近く公表する。企業や投資家などの意見を募ったうえで今年度中に公布し、3月期決算の企業から適用を始める方針だ。上場企業だけでなく、社債発行などで有価証券報告書を提出する非上場企業も対象とする。
 役員報酬(役員賞与も含む)については取締役、監査役、執行役に支払った金額を公表させる方向で調整している。役員報酬の決め方、現金やストックオプション(株式購入権)といった支払い形態の明示も求める。企業の反発が予想以上に強い場合には(1)代表権を持つ役員(2)報酬額が一定水準を超える役員――などに限定する可能性もある。
 株主総会での議決結果に関しては、M&A(合併・買収)や取締役選任などの議案ごとに、賛否の票数の公開を義務づける。
 これまでは企業が保有している持ち合い株のうち、時価総額が大きい上位10社の銘柄と保有株式数を有価証券報告書の付属明細書で公表させてきた。この開示銘柄数を拡大し、保有目的も明示させる方針だ。